2017年11月に移転オープンしたみくに未来ホール。その響きをたくさんの方に体感してもらいたい。そんな風に考えていた折、福井出身のピアニスト・大橋春奈さんと旅先の岐阜県で(!)偶然巡り会いました。福井でもっと色々な音楽を楽しめる機会を作りたい、若い音楽家たちが世界を広げる機会を作りたいと意気投合し、このたびのコンサートにこぎつけました。ご来場誠にありがとうございます。

演奏予定曲目
モーツァルト/グリーグ:二台のピアノのためのソナタ ハ長調 K.545

ショパン:
2つのノクターン Op.32
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
舟歌 Op.60

ドビュッシー:前奏曲集より
第Ⅰ集 2. ヴェール 5. アナカプリの丘 8. 亜麻色の髪の乙女
10. 沈める寺 11. パックの踊り
第Ⅱ集 6. 奇人ラヴィーヌ将軍

ミヨー:スカラムーシュ Op.165b
1. ヴィフ 2. モデレ 3. ブラジルの女

「プログラムは、フランス料理のコースのようなもの」という大橋セレクトの“前菜”は、モーツァルト作曲ピアノ・ソナタ第9番 K.545を、ノルウェーの作曲家グリーグが2台ピアノのために編曲したもの。演奏したことのある人も多いのではないでしょうか。ステージ向かって左のピアノがモーツァルトの原曲をそのまま、右がグリーグの編曲部分を演奏しています。どんなかけ合いが加わっているのか注目しながら、気軽にお楽しみください。

舞台転換に少しお時間を頂いたあとは、ソロ演奏をお楽しみいただきます。強い信頼関係で結ばれた子弟それぞれがお届けするのは、ショパンとドビュッシーという、19世紀フランスでピアノの可能性をとことん追求した二人の作曲家です。

「指を使って歌いなさい!」と、ショパンがしきりに弟子に伝えていたという話は有名です。オペラも大好きだったというショパンがピアノを弾くと「小節が言葉を、個々のフレーズが思想を表現した上品な朗読のようだった」といいます。「ノクターン」「舟歌」にはそんなショパンの歌が全面にちりばめられており、演奏者の技と解釈が問われます。

一部の“メインディッシュ”は、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。ゆるやかな序曲に続き、ポーランド民謡のリズムをふんだんに取り入れた、ショパン最高期の高らかな凱旋歌が鳴り響きます。

二部の注目は、ギャルドン氏が研究を重ね、満を持してお届けするドビュッシー前奏曲集。異国趣味や印象派の絵画がもてはやされた19世紀フランスで、ドビュッシーの関心は何といっても、五感で感じる世界や心に浮かぶイメージをいかに音楽に写し込むかということでした。今回抜粋で演奏される各曲には、神秘性、輝き、柔らかさ、荘厳さ、お茶目さなど、多彩な音の世界が交互に登場。ぜひ五感をフルに使ってピアノの音の世界に浸ってください。

プログラムを締めくくるのは、19世紀末から20世紀後半まで約80年を生き抜き、フランス6人組に数えられるダリウス・ミヨーの代表作。第一次世界大戦の間、外交官であり詩人の親友クローデルの秘書としてブラジルに滞在していたミヨー。この作品は、ミヨーがこの時期ブラジル音楽のリズムに魅せられ書き留めた音楽がもとになっています。イメージの世界に生きたドビュッシーに比べ、身体の芯に熱く迫ってくるような躍動感を味わってください。

文:みくに未来ホール

コンサート詳細はコチラ

みくに未来のピアノウィーク2020