私たちは演劇をしています。演劇活動をしています、とも言えます。

では、「演劇」とは何か。まずは辞書で調べてみましょう。

演劇とは「俳優が舞台の上で、脚本に従い、言葉と動作によって表現したものを観客に見せる芸術。俳優の動作、台詞まわし、脚本、音楽、装置、照明など、あらゆる要素が鑑賞の対象となる総合芸術。芝居。劇。」スーパー大辞林3.0より

とあります。そうだと思います。

そこで、この要素を、一つ一つ削っていき、どこから演劇と言えなくなるかを考えてみました。僕の考えでは、演じる人=俳優がいることと、それを観る客がいること。それだけで、演劇と言えるのではないかと思っています。つまり、音楽、照明、装置はもちろん、脚本も台詞も動作もない。俳優とそれを観る人。がいれば、必要最低限な演劇と言えるのではないかと考えます。

では、演劇をします。と決まったら、用意しなくてはいけないのが、お客さんを呼ぶこと。そして、俳優の体があるということです。演じる人間の体があるから、演劇と言えると思います。とても当たり前のことを言ってますが、大事なことです。

もう少し踏み込んで行きます。

舞台があって、そこに俳優がいれば、それでいいのですが、俳優は演じなくてはいけません。

実際に演じる時、脚本通り台詞を吐く。動く。演出のオーダーを守らないといけないし、照明、音響きっかけにアクションしないといけない。

それをするのも全て、俳優の体です。

稽古中、今日はいつもと違うなと感じることがよくあります。機嫌悪いな、寝不足かな、仕事場で何かあったな、演出に不満あるな、恋人と喧嘩したなとか、別に占い師ではないので詳細は分かりませんが、いつもと違うなというのはわかります。それは、演出がその俳優の体を見て思うことです。

本番だけ元気であればいいというわけにもいきません。稽古中から、演劇ができる体にしておかないといけないと思います。

俳優は、様々な制約を正確に、かつ、より新鮮な気持ちで自由に活き活きと体を使うこと。自身の体を客観的に見ることができて、自在に操ることができること。それが、俳優の仕事だと思います。

役者は体が資本、と言います。まさにその通りだと思います。

何故こんな話をしているかと言いますと、昨日、皆さんに、立ってもらい、歩いてもらいました。この二つと、あと、座る。この三つが、動きの基本かなと思います。もっとあるかもしれません。けど、基本はそうだと思います。

俳優は、様々な要求に応えられるように、体をフラットなニュートラルな状態にしておかなくてはいけません。そして大事なのが、脱力。上の動きで、癖があり、どこかに変な力が入っていると、瞬時に、しかも柔軟に対応することができません。

ある程度の要求に応えられる体を作ること。これが大事だと思いました。

それが、昨日のワークショップをやった意図です。

上に述べた、役者の体が大事だということは、他の照明や音楽を軽んじている、ということでは決してありません。

フラットな体、脱力した体、そこを目指していってもらいたいと思います。

(2019.6.7 団員に向けたメッセージより)

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