雀の声が聞こえる。朝か。窓の色が、黒から青になっていた。

原稿を書き上げないといけない。

何も進んでいない画面の前で、寝てしまうことは往々にしてあった。その度に反省し、自分の才能を疑った。

自分は戯曲を書く才能があるのだろうか。初版は書き終えた。直しが入った、第2版も書き終えた。後は、細かい直しや、もっと良くなるところを入れた第3版が書き終われば、脱稿となり、稽古を本格的に進めることができた。皆の顔が浮かぶ。「沼畑さん、早く書いてください。」そんなこと一回も言われたことはないが、言われたと想像して、奮起してパソコンに向かった。まだ時間はある。想像力は、創造力となる。

大体、昨夜、新聞を六日分読んだのがいけなかった。この原稿のために、新聞を読むのをやめていたのだ。我慢ができずに新聞を開いた。じっくり読んでしまった。もっと言うと、数独とか、クロスワードなんかもやってしまった。これではダメだ。夜が更けていく。ほとんど書けないまま、眠りについてしまったらしい。

最近のニュースを見ると、胸が痛む事件、事故。現実世界の方が辛く、残酷なのに、物語を新しく考える必要があるのだろうか。ふとそんな事を思う。けど、書かないといけない。何故なら、自分は、書いて、作って、演じたいのだ。一つの世界を作って、皆で共有する。その魅力に取り憑かれている。

今回の話は、鬼の話だ。え、また?と思うかも知れない。自分がお客さんなら思うだろう。去年の夏も、鬼の話だった。しかし、今回の話は数年前から書きたかったことだった。だから、二年連続鬼の話を狙ったわけではない。
桃太郎のパロディであるし、現代社会の縮図を描いた話とも言える。

現在、増殖するマイノリティが、社会を変える例も少なくないと、最近では思う。要は、そこまで悲観する世の中ではないなということ。過労、差別、虐待などなど諸問題に、どうにかしないとと声が上がり、それに対してどうにかしなくてはならない。そんな流れは一応あると思う。

今回はそんな話だ。生きるのは辛い。それでも、希望がある。そんな作品を書き続けたい。

 

自分は作家ではなく、会社員だ。もうすぐ会社に行かねばならない。時計の針の進むスピードが早い。別に今日じゃなくてもいいのだけど、今日書き終わりたかった。

 

本読みは何回かした。キャストについて。
けーすけは、殻が破れるとどんどん伸びるから、主役にした。期待している。
りなこの役は難しい。柔軟性があるので、大丈夫だと思う。
加藤さんは対応力あるので、いける。
齊藤くんも外してない。
仁美さんは味がある。かっこいい。
向川さんは、段々、伸び伸びとやれるようになってきた。期待。
山ちゃんは良い。台詞回しをみんな真似するといい。
出倉さん、役入ってるなあ。素晴らしい。
メグも対応力ある、素直にやってくれる。こういう役者が嬉しい。
秋本さん、今のところ一番良い。どうすれば笑えるかわかってる。テンポ、間合いが良い。面白い。

 

一応、全員(?)褒めておいた。皆、真面目で、嬉しい。そして、スタッフ陣も、素晴らしい。このチームなら、きっと素晴らしい舞台になると、信じている。

 

ただ、その前に、脚本を。
よし、できた。未来ホールにメールする。
出勤の準備をして外に出る。
今年の夏もアツくなりそうだ。

演劇教室MAFF 第24回定期公演「生まれたくて生まれたわけじゃない」公演ページ